バローゾ委員長の発言(8日)
EUの欧州委員会
各国首脳との会談後、記者団に対し、
欧州連合(EU)は、ギリシャの財政不安の波及を防ぐため、ソブリン債の危機がユーロの信認低下につながるのを阻止する目的から
緊急安定化基金
を設立することで合意した。今後、全力を挙げてユーロを防衛すると述べた。
EUのユーロ圏16カ国の財務相がブリュッセルで9日午後4時(日本時間同11時)会合を開き、詳細について協議する。
ユーロが1999年の導入以降、首脳会合は、経済政策協調の長期的な取り組みに向けた討議の場であったが、最大の試練に直面する中、危機管理の場へと姿を
変え、8日未明まで話し合いが続けられた。
ユーロ下落やポルトガルとスペイン債の利回り上昇に対応し、週明け
10日の取引開始前
に安定化基金の詳細が発表されることを明らかにした。
サルコジ大統領(フランス)は10日の取引再開時には
ユーロ防衛のためのメカニズム
が導入されていることになると説明し、異例の速さで合意に達したことを強調し
た。
この安定化基金は、各国政府の保証付きの借入金で構成されるもので、欧州当局者は規模の公表を控えている。
なお、 トリシェ総裁(ECB)が国債買い入れ案を6日否定したことで、マーケットの売りが加速していたが、バローゾ委員長は、独立した存在の欧州中央銀行(ECB)に対して、例えば国債買い入れを迫るようなことはしないと言明した。
主要7カ国(G7)の財務相が7日、緊急の電話会議を開催し、議長を務めたカナダのフレアティ財務相は、オタワで記者団に対し
明確かつ時宜を得た力強い対応が必要
との考えで全員が一致したと説明した。
われわれは欧州で強力かつ迅速な政策対応が取られることを期待しているとも述べた。