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2010年9月29日 (水)

進出によるリスクを想定もしていないのか?

 リコーの桜井正光会長(経済同友会代表幹事)は28日、中国に部品を輸出する際の
    中国側の抜き取り検査
の割合が従来の2%程度から9割に上昇していることを明らかにした。
 こうした影響で通関に時間がかかり、中国工場で部品在庫が切れる状態も一時的に発生しているという。

 こうした現状を示した上でラインに影響が出ているが、止まるまでにまだ1、2週間は大丈夫だろうと述べた。
 その上で中国の措置について、日本の商品を中国にサービスしていることを考えると中国にとっても得な話ではないと語った。
 さらに双方の経済交流にとってこういう措置は早期に解除されることを期待するとも強調した。

 損得問題という次元でものを考えるのは目先の利益に余りにも執着していることに他ならない。日本から人件費の安さなどで中国に進出した企業を助ける目的などで解決を急ぐ必要などなく、国益全体から見ればこのような企業の経営が不振になったとしても地政学的なリスクを考えていないものであり淘汰されても仕方がないことだ。
 
 人件費の安さや市場の確保などの目的で中国に進出している企業について考えた場合、同国内の同業中国系企業の技術水準が同程度になった時には、通関手続き等の同様の方法で日系企業の競争力を殺ぎ産設備等を安価に手に入れることは中国にとって容易い事であることに気づくべきだ。
 
 本社を移すという恫喝まがいの発言を行っている経営者は地政学的なリスクを意識していないことは、こうした行為に出られた場合の企業のバックボーンを無くすという意味を理解しておらず
    裸の王様であること
を思い知るべきだ。
 経済交流といっても主導権を日本企業がいつまでも握り続けることが出来るかどうかには疑問がある。

 もし、船長の釈放を先にして問題の解決を急ぐように菅政権に圧力をかけたのであれば国益に反する行為であり、一番問題となるものである。
 このような行為に日本企業等が関わっているのであればそのような企業の製品の購入をボイコットすべきだろう。
 

 また、中国の強硬な姿勢は、単位尖閣諸島の領有権問題という面だけではなく、化石燃料などを含めた海洋鉱物資源等の確保を目的とした所有に関する行為であり、日本の領海内に存在している海底資源等を狙った行動の始まりでしかない。
 単に解決を急げば、共同開発などというお膳の上に載ってしまい、本来利権などない国に半分の利権を引き渡してしまうことにもなりかねない。これは国家として大きな損失だろう。    
   
   

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