連邦財政赤字の削減を求める姿勢を一段と強める(米国)
バーナンキ議長(FRB)の証言(7日)
上院予算委員会
議長は、米連邦公開市場委員会(FOMC)メンバーが予想する回復ペースに基づくと
雇用市場が完全に正常化
するにはあと4-5年かかる可能性があると指摘した。
また、連邦財政赤字の削減を求める姿勢を一段と強め
削減計画を早急に導入
すれば、長期的かつ短期的に経済にプラスをもたらすと論じた。
完全雇用と物価安定というFOMCの責務を果たすために導入した6000億ドルの米国債購入プログラムを擁護する姿勢を示している。→ ranking
証言後の質疑応答で議長は、証言の1時間前に発表された12月の雇用統計における雇用者数の増加について
ほぼわれわれの予想通り
とし、この増加ペースにとどまった場合、持続的な失業率の低下にはつながらないだろうと述べた。
失業率が高く、またそのような水準にとどまることが見込まれ、さらにインフレ率が異例に低い状況では、FOMCは通常ならば、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を引き下げることで対応すると説明した。
その上で、FF金利が2008年12月以降ゼロ付近にあることから、市場の借り入れコストを低水準に維持するため、FRBは証券の買い入れを実施していると述べた。→ ranking
資産購入プログラムの第1弾として実施した1兆7000億ドルの債券購入については
長めの金利に影響
を与えるほか
株式などの資産価格を押し上げ
より広範に信用状況を改善させることで、経済の安定化および回復促進に貢献することに成功したように思われると続けた。
議会が連邦財政赤字への対応を遅らせれば
その分リスクが大きく
なり、財政赤字への避けられない変化にゆがみが生じることになると説明した。
一方では、将来の
財政赤字を減らす確実なプログラム
を早急に導入すれば、長期的に経済の成長と安定性を高めるだけでなく、長期金利を低下させ、消費者信頼感および企業景況感を高めるといった面で短期的に大きなプラス効果をもたらす可能性があると続けた。
今年の景気回復に関しては、11年の景気回復のペースは、10年よりもやや力強いものになりそうだと予想した。
議長は証言後の質疑応答で、中国が対米ドルでの
人民元上昇を容認
すれば、有益だと語った。
また、FRBの金融政策は米国には適切だが中国にとっては
妥当ではない
とし、中国の為替政策は逆効果をもたらすものだと指摘した。→ ranking
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