リビアの政治情勢は混迷度が増す可能性
1月のチュニジア大統領辞任に端を発し、エジプトのムバラク大統領追放に触発された反政府デモの動きは中東地域全般に広がり政権基盤の不安定化が強まってきている。
アフリカ大陸で最大の原油埋蔵量を持つリビアの政治情勢の混迷化が今後の焦点となってきている。
ただ、イエメンとジブチ、イラン、イラク、バーレーンでも民主化等を求める暴動が発生し、各国政府は改革要求の武力による鎮圧を強化している。→ ranking
リビアのカダフィ大佐の次男、セイフ・アルイスラム・カダフィ氏は、41年にわたる父親の統治に反発する
抗議デモ参加者
に対し、国営テレビで「84人の死を嘆き悲しむどころではなく、数十万人の死について号泣することになる」と述べ、「血の川が流れるだろう」と語り、政府との
対話に参加するよう呼び掛けた。
ただし、それが実現しなければリビアは内戦に陥り、同国の石油資源が危うくなると警告した。
しかし、親族等縁故者を政府の重要ポストにつけて独占的な利益を確保することに対する国民の怒りもあるようで、外国人傭兵部隊を使って攻撃を繰り返していることなども報道されており、当分、この事態は収束する可能性は低く、一部軍の離反が起これば一気に内戦に突入する見込みもある。→ ranking
リビア第2の都市、ベンガジが反体制派により掌握されたと報じられ、他の地域でも暴動は拡大している。
AP通信が目撃者の話を引用し、首都トリポリにおいて20日、治安部隊と反体制派が
夜を徹して交戦
が続き、狙撃手が建物屋上から発砲したほか、リビアの指導者の写真を掲げた車両からの射撃もあったと報じた。→ ranking
また、APによると、反体制派は昨夜の暴動後、リビア第2の都市であるベンガジを掌握したと主張したという。
人権擁護団体のヒューマン・ライツ・ウォッチは犠牲者数を200人以上と報告している。
英国のBPなどの石油会社はリビアでの探査や操業などを停止した。
イエメンでは、デモが11日目に突入しているが、サレハ大統領は首都サヌアでの記者会見で
政権交代の要求は論理的ではない
と一蹴し辞任を求める反体制派との協議の可能性を否定した。
米国海軍の第5艦隊司令部が置かれているバーレーンでは
解放のための人民戦線(NDAS)
のエブラヒム・シャリフ代表によると、反政府の7つの勢力が政府への要求をまとめており、政府からの対話要求について協議していることを明らかにした。
なお、同国ではイスラム教スンニ派に属する指導層に差別されていると主張する多数派のシーア派がデモ運動を主導している。→ ranking
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