イラン通貨リアル急落は「心理戦争」
イランのアハマディネジャド大統領は、イラン通貨リアルが1日に
対米ドルで過去最安値
をつけた。
これを受け アハマディネジャド大統領は2日、首都テヘランで行われた記者会見で通貨暴落はイランへの
経済制裁をリアル暴落の要因
として挙げ、イランに対する「心理戦争」だと非難したうえでイラン国民に冷静な対応を呼び掛けた。
イラン国民は運命を共にしている。イランは偉大な国家であり、この危機を乗り越えると述べ「状況は改善するだろう」と続けた。
イランの核問題に対し
米国と欧州連合(EU)
が過去1年間で貿易や金融面の制裁を強化した影響から
リアルの実勢レート
は過去1年間下落が続いており、前日に対ドルで約18%下落し、1ドル=35000リアルをつけた。
イランの核開発の阻止を目的としたこれらの制裁に伴い、イランは同国最大の輸出品である原油などをドル建てやユーロ建てで売却する能力を制限されている。
テヘランのトレーダーによると、2日は39000リアルで取引されているという。
なお、イラン中央銀行が設定する公式レートは1ドル=12260リアルとなっているがリスク回避の売りが続いている。
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ひとこと
イラン経済の封じ込め作戦は成功しつつあるようだ。ただ、この封鎖に伴う影響は取引が大きかったギリシャ経済を直撃しており、ユーロ通貨の下落を招いていると考えることも出来るだろう。
インドや中国は非同盟諸国としてイランからの原油輸入の拡大を進めており、イラン国籍のタンカーによる原油運搬が活発化しており、原油流通の変化が見られる。
イランの核問題で武力行使が行われた場合にはホルムズ海峡が閉鎖されるとエネルギーの供給が滞り、世界的なパニックになる可能性は捨てきれない。
ただ、米国内で産出されるシェールガスの販路がこうした事態が起きた場合に一気にシェアを広げる可能性があり別の視点で物事を考えることも必要だろう。
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