EU長期予算めぐる攻防で亀裂生じる恐れ
欧州連合(EU)の行政執行機関、欧州委員会の
バローゾ委員長
は21日
欧州議会(ストラスブール 仏)
で、2014-20年予算をめぐり
英国を中心とする諸国
が凍結を求めるのは間違いだと述べた。
EUの歳出が域内の経済成長と社会的連帯を促すと続けた。
さらに、大きな脅威 があるとし
妥協は建設的
である必要がある。
欧州を強化するものでなければならず、分裂させてはならないと語った。
EUの7カ年予算案をめぐる攻防ではこれまでも経済力の強い純拠出国と、東欧や南欧を中心とする経済力の劣る純受取国の間の争点となっており、域内の政治的なムードや統一性を図る物差しとなっている。
地域振興ならびに農業分野への助成が歳出の約5分の4を占めている状況にから各国の不満が高まっている現状から域内全体に
政治的な亀裂
が生じる恐れがあるとの懸念を表明した。
なお、ギリシャ支援策の先送りなど合意点を模索することを含め加盟国首脳は22日からの会議で打開策を模索する見込み。
英国とドイツ 2007-13年支出計画は
計 9940億ユーロ(約10兆5000億円)
となっている。
欧州委は14-20年については4%増の1兆300億ユーロの予算案を提示した。
なお、加盟国が予算の70%を拠出しているが英国やドイツなど経済大国は、各国政府の財政赤字削減の取り組みに逆行するものだとしてEU予算の増加に反対する姿勢を示している。
ファンロンパイEU大統領は次期7カ年予算案を
9730億ユーロ
に縮小することを勧告した。
EU予算での歳出は域内総生産(GDP)の1%に相当する。
これに対し、EU加盟各国の歳出はそれぞれのGDPに対して平均で約50%となっている。
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ひとこと
予算配分は負担する国と利益としての見返りが一致するよう、各国の妥協点の交渉だ。
この妥協点が揺らいでいるということで統一通貨であるユーロが揺らいでいる。
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