「スワップ規制のクロスボーダー適用」の妥協点の確認には時間が掛かるものだ。
欧州連合(EU)の行政執行機関、欧州委員会の
バルニエ委員(域内市場・金融サービス企業担当)
や英国のオズボーン財務相、麻生太郎財務相ら9人から米国の
ジャック”ジェイコブ・ジョセフ・ルー財務長官
(Jacob Joseph "Jack" Lew)
に18日送付した書簡で、米国が提案した
スワップ規制のクロスボーダー適用
で国際的な合意が得られなければ
639兆ドル規模
の国際スワップ市場は分断されるとの懸念を表明した。
書簡にはドイツのショイブレ財務相やフランスのモスコビシ財務相、ブラジルのマンテガ財務相らが署名している。
書簡では各国・地域の政策立案者や監督当局が
明確な指針
を示さなければ、デリバティブ(金融派生商品)市場は地域的な市場に後退して効率の劣る構造となり、世界規模でのリスク管理能力が損なわれると訴えた。
それより先、JPモルガン・チェースやゴールドマン・サックス・グループ、海外の監督当局などは米国のデリバティブ規制当局である
商品先物取引委員会(CFTC)
が提示したルールをめぐっては、対象が広範囲に及び過ぎて機能しないとして、導入に反発している。
米国財務省は電子メールで18日配布した声明で、米国は
実務的な妥協点
を見つけるために主要な海外の監督当局と密接に協力していると説明した。
一方、日米の改革は進んでいるが、他国の取り組みは遅れているとも指摘した。
ひとこと
マーケットでのルールは参加者の合意が必要であり、米国が世界経済を支配するごとくルールを各国に押し付けるのでは誰も参加しなくなる。
市場のルールは互いの利益の高まりを意図するのが常道であり、「売買」を行うことは利益相反する市場とも言え、何か別の部分での要因が重ならなければ、損金処理はしないものだ。
こうしたボトムネックを市場原理とは関係なく取り決められては手足を縛られて市場に参加することと同視され、自由がない参加者とも言えてしまう。
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