花の中毒物質でめまいや血圧低下 海外産「はちみつ」で?
自然食で健康的なイメージの強い蜂蜜を利用する場合、海外産の中で花の中毒物質の影響で中毒を起こすものがあるという。
東京都内に住む60歳代の女性が
東南アジア
で購入した蜂蜜をお湯に溶かして飲んだところ30分後に
呼吸困難
視覚異常 など
の状態に陥り、数時間後には歩けなくなったという記事が出た。
蜂蜜には、ツツジの仲間が持つ中毒物質
グラヤノトキシン
が入っていることがあり茶さじ数杯程度でめまい、血圧低下、心拍の異常などを起こすこともあるという。
野生の蜂蜜を食べ精力をつける習慣がある
トルコの黒海沿岸部
での発生が多く
マッドハニー病
(mad honey
と呼ばれている。
トルコや中東辺りでは
シャクナゲのはちみつ
が伝統的な精力剤として使われ、マッドハニーと呼ばれている。
シャクナゲ種ponticumを原料として抽出した毒「グラヤノトキシン」は、人間の肢体への血流を促す働きがあり、バイアグラと 同じような効果があるものの過剰な発汗や唾液分泌、嘔吐、めまい、低血圧軽い心臓発作などの副作用があるといわれている。
この病気の患者数の統計はないものの世界中で症例報告があり、トルコなどで生産された蜂蜜が、流通の国際化によって世界各地に広がっていると考えられる。
ひとこと
毒も使いようによっては薬だ。摂取する量と体調の関係も影響するのだろう。日頃は特に問題がなくとも、体調が悪ければ毒にもなるため使い方次第だろう。
害があるから単純に禁止すればいいというものでもない。
食品のなかにも効能もあれば、害にもなるようなモノは幾らでもあることを知っていることが必要だ。
ふぐなども典型だろう。
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グラヤノトキシン
(Grayanotoxin)
ジテルペンに属する植物毒の一種の総称でⅠからⅢまでの3種類がある。
グラヤノトキシンⅠは
アセボトキシン(Asebotoxin)
ロードトキシン(Rhodotoxin)
アンドロメドトキシン(andromedotoxin)
とも呼ばれ、レンゲツツジ、アセビ、ネジキなどのツツジ科の植物の全草に含まれる。
日本産の
ハナヒリノキ(Leucothoe grayana)
から発見・命名された物質である。
日本特産の「ホツツジ」などの蜜に含まれるため
グラヤノトキシン
が蜂蜜から検出されることがあり、大量に摂取すれば問題となることもある。
ギリシャ・ローマ時代から知られており、アテナイの騎士階級の出身で、哲学者、著述家であったソクラテスの弟子でもある
クセノフォン
(紀元前427年?-紀元前355年?)
古代ローマ時代のポントス王国の地理学者・歴史家・哲学者で『地理書』で知られる
ストラボン
(紀元前63年頃 - 23年頃)
古代ローマ帝国の海外領土総督を歴任し、『博物誌』を著した
大プリニウス
(22 / 23年 – 79年8月24日)
らは著書の中でツツジ属植物の蜜に由来する蜂蜜による中毒を記録に残している。
グラヤノトキシンを含有する植物を食べることによる家畜の中毒死を引き起こし問題となる。
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