サウジアラビア軍がイエメン軍司令部等への複数回の空爆を主導。
フランス公共ラジオによると、イエメンの首都サヌアにあるイスラム教シーア派武装組織「フーシ」と連携するサレハ前大統領に忠誠を誓う部隊の軍司令部が7日、隣国サウジアラビア軍が主導する複数回の空爆を受けたと伝えた。
救急当局者によると、隣接した家屋に住む一般市民20人を含む45人が死亡した。
サウジ軍などアラブ連合はフーシと対立するハディ暫定大統領派を支援して3月から空爆を継続させている。
フーシ側は6日、サウジ領内にスカッドミサイルを初めて発射した。
戦闘は国境を越えてサウジ領内に拡大している。
サウジはサウード家を国王に戴く絶対君主制国家として知られるが、18世紀にイスラム原理主義とも言われる宗教指導者
ムハンマド・イブン・アブドゥルワッハーブ
と同盟、150年間かかって今日のサウジアラビア王朝の統治の基礎を作った。
サウード家はもともとリヤド周辺を支配するだけの部族の首長であったが、アラビア半島の支配を巡ってエジプトやオスマン帝国そして他のアラブ部族ラシード家
ジャバル・シャンマル王国(1836年-1921年)
と争い興亡を繰り返していた。
1902年に僅か22歳の
アブドゥルアズィーズ・イブン・サウード国王
がサウード王家先祖伝来の本拠地リヤドをライバルのラシード家から奪回し、ナジュドで建国した。
英国等の援助を受け、アブドゥルアズィーズはアラビア半島の征服を続けた。
1932年に主要地域のハサー、カティーフ、ナジュドそしてヒジャーズが統一されサウジアラビア王国が成立した。
1934年には「サウジ・イエメン戦争」でイドリシ朝アスィール首長国を併合しており、支配地域には過去からの柵が残っており、そうした反発を抑え込むために宗教を利用した締め付けが続いており、民主化や自主権を求める地域住民の声を押しつぶして来たのも事実だろう。
サウジ国内の積み重ねられている不満が連鎖的に爆発する可能性は捨てきれない状況でもある。
「サウジ・イエメン戦争」で失ったイエメンの領土回復までの動きになれば、他の地域でも同様の自主権確保の動きが強まる可能性もあり、中東全体がさらに不安定化することも予想される。
なお、国連は同日、国連仲介によるイエメン和平協議を14日からジュネーブで開くと発表した。
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