制裁解除のイランによる2月産油量は1997年以来の大幅な伸び
石油輸出国機構(OPEC)は14日公表した月報で、国際的な制裁が解除されたイランの石油生産が2月にほぼ20年ぶりの増加幅を記録したと明らかにした。
OPECによると、2月のイランの産油量は日量313万バレルだった。
前月比では18万7800バレル増え、増加幅は1997年以来の大きさとなった。
同月にロシアと生産水準維持で暫定合意したサウジアラビア、カタール、ベネズエラの産油量は前月とほぼ同じだった。
また非加盟国の生産減少が進んでいないことから、今年のOPEC産原油に対する需要見通しを引き下げた。
OPECの月報では、2月16日に成立した生産水準維持に関する暫定合意や、他の産油国から生産維持に対する支持を集めようと現在進めている協議に言及していない。
今年のOPEC産原油の需要見通しは日量約10万バレル下方修正し、3152万バレルとした。
これは現在の生産水準から80万バレル前後少ない数字とのこと。
なお、OPEC月報がメディアや予測機関などの二次情報源に基づくデータとして伝えたところによると、加盟13カ国の2月の生産量は前月比で日量17万4800バレル減の3228万バレルだった。
イランの増産以上に、イラクとナイジェリアの減産が大きかった。
イラクはトルコに向かう北部の輸出パイプライン閉鎖で生産が阻害され、ナイジェリアは代表的油種の1つ「フォルカドス」の積み出し停止が響いたとのこと。
地理的な距離が生産と消費の交渉に大きな影響を与えるものだ。
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