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2017年3月13日 (月)

イラン原油をけん制か?

 

 世界有数の石油埋蔵量を誇る産油国サウジアラビアの
   サルマン国王
が12日夜、46年ぶりに来日し、国を挙げて取り組む「脱石油」の経済改革への協力について、協議するため安倍総理大臣と13日に会談する。

 サルマン国王は初代国王イブン・サウードの25番目の男子にあたる。 

 サルマン国王は12日夜、専用機で羽田空港に到着し、あらかじめ、日本に持ち込まれていた
   専用の電動タラップ
を使って降り立って、皇太子さまの出迎えを受けた。

 サウジアラビアは、イラン革命後におけるイランからの石油の輸入が不可能となって以降、日本が輸入する原油の3分の1を占めるようになっている。

 サウジは原油価格の低迷でサウド家の華美な生活を支えるため放漫な財政出費が影響し、深刻な財政難となっている。

 サウジ王国というよりもサウド王家一族の権益を原理主義的なイスラム教の一派を活用した宗教警察で思想取り締まりの徹底を行い、弾圧を続けている。

 こうした姿勢への反発はサウジ王国の成立前に併合していったアラビア半島の王国の末裔や地方部族などの反発も根強く残っており、守り切れるかといった将来への危機感が常に存在している。

 イエメンに対する武力支配も同じ流れの中にある。

 こうした政治体制を維持し続けるための資金を確保するため、石油生産に依存しない脱石油を目指す経済改革を進めようと躍起になっている。

 今回の訪問はこの計画への日本の協力を求めるのが目的で、サルマン国王は13日、安倍総理大臣と会談する。

 新たな産業の創出に向けた技術支援や人材育成などの協力について協議し、合意文書を取りまとめることになっている。

 内戦が続くシリアやイスラム教スンニ派過激派軍事組織「イスラム国(IS)」やアルカイダなどサウジ王国からの資金や人材により引き起こされた背景がある。

 こうした自国民の行動により中東が混乱しているなか、ISへの対応など、中東地域の安定化に向けた方策についても話し合うものと見られている。

 

 なお、サルマン国王の今回の訪問には閣僚や王族など、およそ1000人が随行しており訪問団の一部が滞在する東京・港区にあるホテル周辺の道路には、関係者が移動するために用意された黒塗りの高級車のハイヤーが10台余り並んでいた。

 こうしたハイヤーの中には神戸ナンバーや、なにわナンバーをつけた車もあり随行員の移動用に東京近辺の車だけでは足りず、関西地方からも集めたと見られる。
 

 サウジアラビアの西部には、メッカとメディナのイスラム教の2大聖地があり、サウド家が軍事的に地域を支配して守護者を名乗り、世界各国から巡礼者を受け入れている。

 サウド王家はオイルマネーを国民に分配する形で、一握りの王族が権力を独占する支配体制を築いきた。

 労働人口の3分の2は公務員で、税金はなく、医療や教育も無料で提供され反発を未然に防いできた。
 また、光熱費や水道料金などを安く抑えるために多額の補助金が投入されてきたが限界に達している。

 イランの経済制裁解除で消費国日本が原油の仕入れルートをイランなどに変えるのを防ぐ目的もあるのだろう、イランが行動を起こす前に来日した意味を考える必要がある。

 もともと、日本はイラン原油の輸入が多かったため、元に戻ればサウジの販路が減ることになる。石油ショックで莫大な利益がサウジに入って栄耀栄華の生活を送ってきたが、もうそろそろ返してもらうことが必要だろう。


   

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