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2017年12月25日 (月)

北朝鮮の外貨出稼ぎ労働者を24カ月以内に送還せよ

 

 国連安全保障理事会は2日(現地時間)、先月末に北朝鮮が
   「火星-15」型大陸間弾道ミサイル(ICBM)
の発射に対し、新しい対北朝鮮制裁決議案2397号を全員一致で採択した。

 今年に入って4回目の国連制裁の内容は、北朝鮮に対する
   石油製品供給量の追加制限
と北朝鮮海外派遣労働者の送還がメインとなっているが、今回の制裁が北朝鮮の経済に一定程度の打撃は与えることになる。

 ただ、北朝鮮の態度を変えるには中国の協力が限定的で蜜傍系なども横行しており限界があると見られている。

 今回の制裁の内容を見れば、北朝鮮に供給できる精製油製品は毎年50万バレルに制限される。

 国連安保理は今年9月、北朝鮮の6回目の核実験に対する制裁決議2375号で、北朝鮮に対する精製油製品の供給を年間450万バレルから200万バレルに減らした。

 二度の決議を通じて精製油製品の供給が90%近く減らされたことにはなる。

 また、北朝鮮に対する原油の供給量は、初めて上限が年間400万バレルと明示され、9月に採択された制裁では「現水準凍結」だったが、協力を拒む中国やロシアなどへの実効を促す意味からも今回は数値で具体化した。

 ただ、この数値は、北朝鮮の原油供給量が年間400万バレルと推定される現実を見れば、直ちに制裁の効果を期待できる水準ではない。

 数値を明示したこと自体が、北朝鮮が再び核実験やミサイル発射を敢行する場合、原油供給の縮小を追加制裁に含めるというシグナルを発信したと解釈されるが、そのまま北朝鮮が受け入れる可能性は低い。

 また、今回の決議では、国連加盟国に対し自国で仕事をする北朝鮮の海外派遣労働者を全員24カ月以内に北朝鮮に送還することを義務化した。

 海外派遣労働者を通した北朝鮮の
   外貨獲得
を遮断するための措置となる。

 当初、米中間の交渉では「12カ月以内」で合意していたが、終盤になり多数の北朝鮮労働者に依存しているロシアの異議提起により期間が延びた。

 既存の制裁では、新規雇用と滞留延長のみが禁止されていた。
 今回の決議で5~10万人水準と推定される北朝鮮労働者の海外派遣中断時点が2019年末に多少前倒しされることになった。

 なお、ニッキー・ヘイリー国連駐在米国大使は「北朝鮮の海外派遣労働者は毎年5億ドル程度の収入源」と主張している。

 この他に、海上遮断を強化し、制裁違反が疑われる入港船舶の抑留、検索、資産凍結を義務化した。

  

 韓国のキム・ヨンヒョン東国大教授は、原油にほとんど手を付けなかったために
   「短期的には耐えられる制裁」
と評価した。

 また、 コ・ユファン東国大教授は北朝鮮経済には子の制裁で影響はあるだろうが、自給自足で持ちこたえてゆくだろうと分析した。

 チョン・ソンジャン世宗研究所統一戦略研究室長は、北朝鮮に
   石炭液化技術
があるため、石炭液化に変えれば、さほど大きな打撃になるとは思われないと分析した。

 
 

ひとこと

 北朝鮮への今回の経済制裁は
   「相当な打撃」
が予想されるものの金正恩体制の崩壊にはならない。

 そのため、自給自足で持ちこたえ北朝鮮の軍事増強戦略は放棄されず態度が変わることもない弱いもので、小出しの制裁では軍地的脅威の威力を高める時間を与えるだけでしかないだろう。

 
   

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