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2018年5月 4日 (金)

北東アジア全体の平和の維持

 

 北朝鮮の国務委員長
   金正恩(キム・ジョンウン)氏
が今月に開催が予想される
   米朝首脳会談
で米大統領
   ドナルド・トランプ氏
に「在韓米軍駐留」を容認する立場を明らかにする見通しという情報が青瓦台(チョンワデ、大統領府)関係者への取材で流れたと2日市場に伝えられた。

  この情報を伝えた青瓦台関係者はの話では金委員長が米朝首脳会談の際
   平和協定の締結
などで
   北の体制保証
がされる場合に
   在韓米軍
の朝鮮半島における駐留を問題視しないと公開的に約束する可能性がある述べた。

 これは米朝の非核化合意過程で北が
   米国に提供する「贈り物」
になる可能性があると続けた。

  また、金日成(キム・イルソン)主席と金正日(キム・ジョンイル)総書記は
   非公式的
に在韓米軍の駐留を容認していたと指摘しており、初めて
   金日成
が粛清を繰り返し競合相手を淘汰したことで、権力を私物化し世襲化に成功した金一族にとっての
   平和体制
を維持するため、米国との
   直接談判
をする金委員長が先制的に
   在韓米軍駐留を容認
する立場を明らかにするのは当然の流れと見られる。

  金王朝の永続性を認めると同一視される行為だが、米国が北の体制を保証する場合、在韓米軍は北の脅威にならないとの思考が働くことになり、北はこの場合
   在韓米軍駐留
を通じてむしろ北の
   対中国交渉力
を最大化できるという計算が背景にある。

 そもそも、中国はもともとソビエト連邦が第二次世界大戦中に創設した民族旅団の1つ
   第88独立狙撃旅団
に所属していた満州派の
   金日成
よりも中国の毛沢東の信任が厚い
   金枓奉
ら延安派を粛清し追い落としを行って実権を手にいれたものであり、その後、世襲化したものであるため、常に中国の顔色を窺がう姿勢が体制維持に必要となってきたのも事実だろう。

  

 そのため、在韓米軍に関する限り、中国への牽制といった意味から見れば、南北の立場は大きく変わらない。

 青瓦台は南北会談が開かれる前の2月、訪朝特使団が金正恩に会った当時、金正恩委員長は
   韓米連合訓練
の実施を理解することを明らかにしていたという。

 朝鮮半島に平和が訪れれば在韓米軍と米韓訓練の性格と地位も変わるといった期待感があるとも見られる。

  文在寅(ムン・ジェイン)大統領は2日
   米朝関係正常化
の過程で在韓米軍が撤収する可能性もあるという一部の不安を公開的に否定し一蹴した。

 前日には文正仁(ムン・ジョンイン)外交安保特別補佐官が
   平和協定
を締結すれば
   在韓米軍
の駐留を正当化するのは難しいと主張した寄稿が論議を呼んだ。

 文大統領は翌日、在韓米軍は米韓同盟の問題と一蹴し、平和協定の締結とはいかなる関係もないと述べ、マッチポンプ的な対応をメディアを通して見せ付けた状況にも見える。

 文大統領は特に大統領秘書室長の
   任鍾ソク(イム・ジョンソク)氏
を通じて文特別補佐官に電話をかけて自分の立場を説明するよう指示したという。

 その後、これを青瓦台の
   金宜謙(キム・ウィギョム)報道官
を通じてメディアに公開した。

 文大統領が文特別補佐官に対して
   公開的な警告
をしたという解釈を見せつけたともいえる。

  青瓦台は当初、この日午前6時30分ごろまで在韓米軍の撤収を一蹴しながらも
   「文特別補佐官は思想の自由と表現の自由を享受する教授」
という寛容な対応を見せていた。

 過去に文特別補佐官の立場や発言について
   「学者としての考え」
と述べたのと似ており、リスクヘッジ的に発言させた様にも見えるものだ。

 

 文大統領の措置は一次的には韓国内の
   「葛藤を遮断しようという意図」
があるものとし「過去の金大中(キム・デジュン)、盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権当時、内部の葛藤で挫折した経験を省みながら文大統領が最優先に
   国民世論
の変調を考えてコントロールしているようだ。

 米朝首脳会談を控えて
   在韓米軍撤収
の議論が韓米同盟に亀裂を生じさせるという点が考慮されたのだろう。

 

 文大統領の強い警告が文特別補佐官の更迭を予告したという見方もあるが、思考は同じ類のものでしかないだろう。

  在韓米軍に対する文大統領の考えとしては
   在韓米軍
は対北抑止力レベルでなく
   北東アジア全体の平和
のためにも重要だと強調しており、増強する中国軍への牽制の意味もある。

 平和体制が定着した後にも在韓米軍は北東アジアの
   「力の均衡軸」の役割
をすべきという主張が背景にあり、中国政府との関係が薄くなっている北朝鮮の金正恩体制においても意味が変化してきている。

  
   

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