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2018年9月 9日 (日)

マニュアル人間を増やす戦略

 
 防犯カメラとは別に店舗内に
   常設カメラ
を設置し、撮影した顧客の顔画像を人工知能(AI)で分析して集積し、売り上げの増加に役立てる企業が増加しているという。
 
 顔の画像は個人情報にあたるもの。
 
 国は属性分析後の消去などを条件に利用を認める姿勢にあるが、独り歩きして弊害が大きく生じる可能性もある。
 
 
 昨年11月に東京・上野で開業した「パルコヤ」では衣料や雑貨などのテナントの9割にあたる約60店が常設の店舗用カメラを設置。
 
 撮影した画像を分析し、来店した客の年代や動線を把握し、データ化して品ぞろえや陳列場所に反映させるため、データは各店のパソコンで見ることができるという。
 
 
 運営するパルコ(東京都渋谷区)が画像を分析した結果、性別では女性客が8割、年代別も30~50代が多く、想定通りだったとう。

 個人情報である顔画像の利用について、パルコ広報/IR室では「ホームページに店内におけるカメラ画像のデータ解析をしていることを掲載している。分析後は顔画像はすぐに消去している」とのこと。
 
 現在のところ、画像分析による属性分析の効果が、売り上げ増の成果として出ている、とまでは言えない水準という。

 また、アウトドア用品の「ICI石井スポーツ」(東京都新宿区)でも、都内の2店舗で昨年5月から12月まで撮影した顔画像の属性分析を試験的に実施し、このうち1店舗について解析したところ、これまで来店者は40~50代が多いと考えられていたが、20~30代もほぼ同数来店していることがわかったという。

 このため、若者に人気がある米国ブランドの女性向けの売り場を拡大、売り場に30秒いた人の2割が購入した登山用ザックを、入り口近くから店の奥に移した。
 
 この結果、店内をまわる人が増加し、手前に置いた寝袋やテントの売り場に立ち寄る客が増えた。
 
 昨年末時点で売り上げは前年比ベースで1割以上伸びたという。
 
  
 
ひとこと
 
 視点を変えて見れば店員が来客する人の動きや観察力が低下しているともいえる。
 
 店舗の外商部門の能力低下が顕著で、商品を提供するノウハウが現場で蓄積できなくなっている現実を補強するツールなのだろうが、本末転倒になれば更に店員の質の低下が起きかねない。
 
 ビッグデータの活用は従来のノウハウを持つための時間の節約にはなるが、能力の質的向上が疎かになるだろう。
 
 単なるマニュアル人間を増やしかねないフレームづくりが先行し、中身の薄い状態が起きる可能性もある。
 
 営業が相手との駆け引きが出来なくなって、端末をいじるだけでは話にならない。
 
 
    

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