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2018年11月 4日 (日)

生活向上の題目

 
 北朝鮮の金正恩党委員長は「人民生活向上」を掲げ、首都・平壌でのタワーマンション、高級リゾートの「元山葛麻(ウォンサンカルマ)海岸観光地区」、革命の聖地と呼ばれる三池淵(サムジヨン)の開発事業などに多額の予算を注ぎ込んでいる。
 
 ただ、地方で困窮する人民の生活には興味がない。

 北朝鮮咸鏡北道にある年間650万トンの鉄鉱石を生産し、主に中国に輸出してきた
   茂山(ムサン)鉱山
は1930年代半ばに三菱鉱業によって開発され、北朝鮮支配下の稼働で年間1億ドルの外貨を稼ぎ出し「朝鮮の宝」と言われてきた。
 
 稼働の様子は、国境である川を挟んだ中国・吉林省からも鮮明に見て取れる。
 
  鉱山労働者の月給は最高で100万北朝鮮ウォン(約1万4000円)で危険な環境で働くため、一般的な労働者が10年かけても稼げないほどの高給取りだった。
 
 この鉱山が今年7月、操業を中断し、配給も突然止まってしまったとの内部情報明らかになった。

 茂山鉱山の操業中断は、対岸の中国にも悪影響を与えた。
 中国では北朝鮮から鉄鉱石を輸入して使っているが、おりからの不動産不況と対北朝鮮制裁で稼働を中断した製鉄所が増加した。
 
 北朝鮮の鉄鉱石の対価として、中国はコメ、トウモロコシ、油などを提供するバーター貿易を行ってきた。
 それが北朝鮮労働者への月給代わりの配給として使われていたが、貿易が止まってしまったので、「苦難の行軍」のころと同じような飢饉の状態になっているという構図だ。
 
 市民の生活は苦しくなっており、1990年代後半の北朝鮮を襲った未曾有の食糧危機
   「苦難の行軍」
と似たような状況に陥っているという。
 
 市内の通りでは親に捨てられて行き場を失った数多くの子どもたちが路頭に迷っているため、当局は、清津(チョンジン)市の羅南(ラナム)区域にある中等学院(コチェビ収容施設)に収容を命じたという。
 
 茂山と同じように鉱物資源に依存していた平安南道(ピョンアンナムド) の炭鉱地帯でも起きている。

 豊かだった茂山は、経済制裁で困窮に喘ぎ道内で最も苦しい地域となり、地方政府は各地域に対して「茂山を支援せよ」との指示を下した。
 
 ただ、情報筋の中には、川の水の色が未だに黒いことを理由に挙げたうえ稼働中断説に異論を唱える人もいる。
 
 これは掘り出した鉄鉱石を水で洗浄する過程で発生する黒い汚水が川に流れ込むためだ。
 
 ただ、当局の黙認の下に鉱山から鉄鉱石を持ち出す個人業者が多数存在しており、川の水の色だけで稼働状況を判断するのは無理という話もある。
 
    

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