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2020年5月31日 (日)

民族の根幹に触れるとは恐れ入った

 

 中国共産党機関紙「人民日報」の国際版「環球時報」は香港の大学入試の「歴史の問題」で「日本が中国にもたらした恩恵は弊害よりも多い」と回答した受験生が4割近くいたため批判的に伝えた。

 14日に香港で行われた大学入試に相当する中等教育修了試験(DSE)の歴史問題で、20世紀の日中関係について二つの資料を提示した上で「1900~45年の間、日本は中国に対し、弊害よりも多い恩恵をもたらした」との記述に対する正否を答えさせる設問があった。
 
 この資料は、一つが1905年に清朝政府が日本に学生を派遣させることに日本政府が同意したことを示すもの、もう一つが中華民国臨時政府と三井財閥が締結した借款契約の一部だったという。

 この設問をめぐっては、共産党支持勢力でもある一部の専門家から「設問と資料が明らかに日本寄り。1905年と12年の単発的な出来事だけで、日中戦争などの記述もないままこのような設問に回答させるのは学術のルールに反する」「出題者は意図的に日本に有利な史料」を切り取り、生徒たちに
   確かに日本人は中国にメリットをもたらした
との思いを抱かせるようリードしているなどのといった反日思考に基づく批判と強めた。香港教育局も同設問を取り消すよう求め、22日に取り消しが決まった。
 
 ただ、蒋介石の国民革命軍が南京で行った数万人の親日中国市民を「漢奸」として裁判もなく公開処刑し、斬首し鳥籠に入れて晒す蛮行や日本軍が南京を陥落させ解放したのち、更衣兵や敗残兵が市民に紛れ略奪、殺害などを繰り返し治安が悪化していったことや揚子江堤防を爆破して洪水を引き起こし、数百万人の犠牲者を出したうえ、1000万人の被災者を生みだし、洪水で救助に当たった日本軍の船舶に機銃掃射を加えたことなども情報として伝えたうえでの判断を求めるのだろうか。
 
 満州族の支配した清朝の崩壊では日本からの資金などを受けた留学生や亡命者が活躍し辛亥革命に成功したことや、軍閥の割拠で治安が悪化したことなどまで触れるのだろうか疑問だ。

 この記事によると、25日に行われた香港立法会(議会)教育事務委員会の特別会議で、当該設問に「弊害が恩恵よりも多い」と回答した受験生が57.1%で、「恩恵が弊害よりも多い」との回答したのは38%だったことが報告された。
 ただ、残る4.9%は立場を示さなかったという。

 民主派の議員からは「受験生の回答は『恩恵が多かった』に偏っておらず、誘導されてはいない」と指摘し、香港教育局が同設問の取り消しを求めたことに失望を表明した。

 一方、教育局の楊潤雄局長は、「取り消しを求めたのは政治的な考えからではなく、設問に問題があったため」と反論している。

 なお、環球時報の記事は、一部では「当該設問は中華民族の根幹に触れるものであり、恩恵か弊害かの議論など存在しない」との声があると伝え、批判が中国共産党に向かないよう誘導しているようだ。
 
 ただ、中華民族という範囲がいまは極端に広く扱われており、漢民族が9割といった主張がまかり通っている。漢民族が中原にいた民族であれば1.2億人程度であり、水増しも甚だしいという状況だが、9割にすれば、王朝滅亡時に日本に避難した帰化人の子孫の日本人への同化を考えれば、日本人が中国社会の中心といった思考も成り立つ。
 であれば、日中戦争は内戦の範囲のものといったことにもなり批判を受ける筋合いのものではない。
 
    

  

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