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2020年12月22日 (火)

鉄道事故はスパイの仕業?

 

 北朝鮮への諜報活動で明らかになったところによると北朝鮮北部の慈江道(チャガンド)を走る満浦(マンポ)線の熙川(ヒチョン)と富成(プソン)の間で先月15日、朝鮮人民軍の将兵を乗せた列車が脱線横転し600人もの死傷者が発生する大惨事が起きたという。

 具体的な事故の発生経緯について情報筋は触れていないものの、今月1日から始まった朝鮮人民軍の冬季訓練に向けて部隊に復帰、または指示された訓練場所に移動する兵士や、その指導にあたる軍官(将校)、軍事郵便を輸送する機通手が多く乗っていた5号車に被害が集中、軍関係者だけで死者140人。負傷者230人を出したとのこと。
 
 死傷者の中には、慈江道地区司令部技術部の司令官(大佐、56歳)、李齊順(リ・ジェスン)軍官学校の政治部長(上佐、55歳)も含まれていたという。

 この事故の調査に当たっている国家保衛省は、自己保身のため「韓国のスパイの仕業」だと主張していると伝えた。
 
 ただ、北朝鮮では先軍政治とは名ばかりで、物資の横流しが横行し、基準通りの工事やメンテナンスなどは不可能であり、どの鉄道も老朽化と整備不良、そして「速度戦」と呼ばれる工期短縮に偏った工法などにより、施工不良が拡大し耐久性はなく劣悪な状態にあるため、これまでも数百から数千人単位の死傷者を出す事故が繰り返し起きている。

 鉄道ばかりではなく、走らせる車も少数だが、高速道路も同様の質の悪さで、工事中の現場では、橋が崩落し500人が死亡する事故も起きていたことが、後に韓国へ逃れた目撃者たちの証言で明らかになっており、この崩落事故で川原には原形をとどめない死体が散乱し、現場は救助の看護師たちが気を失うほどの地獄絵図と化したとの情報も流れている。
 
 今回の事故の発生について当局は、死傷者の半数以上が任務のために移動中だった軍関係者だった今回の事故を非常に重く見ている。

 朝鮮労働党慈江道委員会では、「金正恩党委員長が乗車する1号列車が通って事故に巻き込まれていたとしたら、革命の首脳部の安全に拭い去れない誤ちを犯していたかもしれない重大な問題」として、軍関係者と道民を総動員し、事故の収拾、線路の復旧に当たらせているという。

 ただ、今回の事故の原因は線路の整備不良によるもので富成駅の管轄区間のレールの犬釘が複数本外れていたことが、列車脱線の原因になったことが調査の結果で明らかになっている。
 
 責任のある富成駅の駅長、当該区間の線路担当の巡察員など管理者が慈江道保衛部に逮捕された。

 重大事故や事件の場合、容疑者は、身柄を平壌の国家保衛省に移されて取り調べを受ける。
 ただ、今回は新型コロナウイルスの防疫の観点から、現地で勾留し、平壌から国家保衛省の担当者がやってきて取り調べを行っているとの情報も明らかになった。

 処分は今年中に下される予定だが、設備維持が出来なくなることや来年1月の「朝鮮労働党第8回大会を控えて、党の寛大な姿勢、人徳政治のプロパガンダに使うため、比較的軽い処分で済ませ、左翼の韓国の文政権から資金を入れる工作活動に利用する目論見があるのだろう。
 
 国家保衛省は今回の事件について「韓国の国家情報院の指図を受けた内部の「スパイによる仕業」だと主張し、宣伝活動を始めた。
 
 事故や事件の責任を韓国や米国になすりつけるこの手のプロパガンダは使い古されたものだが、韓国の文政権の従軍慰安婦や徴用工などを利用した金儲けと同じ類のものだろう。
 
 
 今、北朝鮮の人々を苦しめているいる制裁、自然災害、コロナの三重苦も、金正恩政権の失政の側面が大きい。

 慈江道の人々は、軍需工場に務め、国から配給を受け取って安定的な暮らしてきた北朝鮮の特権階級に近い人が多く、外部との行き来が厳しく制限しており、当局のプロパガンダを受け入れやすい土壌が揃ってるとの見方が強い。
 
  

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